音で困っている人の中には、「これは聴覚過敏なのか?」「それともミソフォニアなのか?」
と、症状名で迷った経験がある人も少なくないと思います。
私自身、子どもの頃に聴覚過敏と診断され、成長する中でミソフォニアの症状も併存するようになりました。
今振り返って思うのは、「どちらか一つ」と切り分けるよりも、
音との関係性が少しずつ変化していったという感覚のほうが近い、ということです。
この記事では、
聴覚過敏をもつ私がミソフォニアも併存してから数年経った今、当事者として実際に感じたこと・気づいたことを
まとめています。
※本記事は医療的な診断や治療を目的としたものではありません。
聴覚過敏・ミソフォニア当事者である私自身の体験をもとに書いています。
聴覚過敏をもっている人はミソフォニアも併存しやすい?
「聴覚過敏」をもっている人は、結果的にミソフォニアに近い状態を併存しやすいことがあると、
私は感じています。
聴覚過敏は、音量の大小に関係なく、周囲の音を過剰に拾ってしまう状態です。
たとえば、
- 音が実際以上に大きく、強く響いて聞こえる
- 複数の音が同時に耳に入ってきて、整理できない
- 必要な音だけを選んで聞くことができない
といった聞こえ方になることがあります。
こうした状態が続くと、音そのものだけでなく、音と向き合い続けること自体が少しずつ大きな負担になっていきます。
常に多くの音を受け取り続けることで、気づかないうちに緊張が積み重なり、
「音が来るかもしれない」という不安や警戒心を強く抱くようになることもあります。
その結果、
特定の音に対して強い嫌悪感やストレス反応が出るようになり、「ミソフォニアに併存する」のではないかと
私はそう感じています。
聴覚過敏の状態が続くと、
音そのものが徐々にストレス源になっていきました。
私の場合、
まず「音が聞こえすぎる」ことで、常に神経が張りつめた状態になっていました。
周囲の音を無意識に拾い続けるため、
- 気が休まらない
- 常に身構えている
- 音が入るたびに疲れていく
といった感覚が積み重なっていきました。
その状態が長く続いた結果、特定の音に対して、より強く反応するようになったのだと思います。
私の場合は、
「音が聞こえすぎる」→「緊張した状態が続く」→「ある音が引き金になり、強い不快感が出る」
という流れでした。
「聴覚過敏だけじゃない」と感じたきっ
私は10歳の頃に聴覚過敏と診断されました。
診断前は、
- マイクや機材によるハウリング
- 花火の音
- 黒板をひっかく音
といった、突発的で刺激の強い環境音が特につらく、その場にいるだけで恐怖や苦痛を感じる日々でした。
幼少期に「聴覚過敏」診断後、防音アイテムを使うようになり、「音から身を守る」という対処が少しずつできるようになりました。
しかし、高校1年生の頃、
思春期のストレスや人間関係の影響も重なり、それまでとは違う音つらさを感じるようになります。
- パソコンのタイピング音
- シャーペンのカチカチ音
- 咀嚼音
- 足音やヒソヒソ話
など人が出す音に対して、強いイライラや嫌悪感を抱くようになりました。
「音が大きいからつらい」というより、その音が存在していること自体が耐えられない感じるようになったことで、そこで初めて、「今まで知っている聴覚過敏とは少し違うかもしれない」と感じるようになりました。
聴覚過敏とミソフォニアの違いや分け方
「聴覚過敏」と「ミソフォニア」はほとんど似ているため、分かりづらいのが事実です。
聴覚過敏とミソフォニアの違いと見分けるポイントは主に2つです。
- 耳から入ってくる音の聞こえ方
- 音に対する嫌悪感や憎しみがあるかないか
聴覚過敏に当てはまると感じる場合
「(音量の大小に関係なく)すべての音を拾ってしまう。音が大きく響くように聞こえる。」
または「一つ一つの音を聞き分けることが難しく、すべての音が同じボリュームで聞こえてしまう。」ことが特徴です。
周囲の人にとって何気ない音が、聴覚過敏の当事者によっては騒がしく聞こえ、苦痛に感じてしまう事もあります。
音に対してミソフォニアが持っている特有の音への憎しみや殺意はなく、「騒音をなんとか回避したい」、「静かにしてほしい」と思っている人がほとんどです。
ミソフォニアに当てはまると感じる場合
「周囲の音よりも(大小関係なく苦手やトラウマだと感じる)特定した音に対して音が大きく聞こえる。」、「周囲の音にはあまり気にならない」のが特徴です。
咀嚼音、タイピング音の他、人が作業する時の音や電子音など個人的に苦手な音が聞こえると、
憎悪やイライラ、苦手意識が強く感じる事があり、殺意が強くなります。
両方当てはまると感じる場合
次のような感覚がある場合は、
聴覚過敏とミソフォニアの両方の特徴を併せ持っている可能性も考えられます。
- すべての音がつらく感じる日もある
- 特定の音だけが、どうしても耐えられない日もある
- 体調や環境によって、音のつらさの出方が変わる
この場合、
「全体的に音がしんどい」、「この音だけがどうしても無理」といったように、日によって感じ方が揺れることも少なくありません。
どちらか一方にきれいに分けられないからといって、おかしいわけではなく、
感覚が重なり合って現れていると考えると、自分の状態を整理しやすくなることもあります。
もし、
聴覚過敏とミソフォニアの違いと見分ける特徴が違う場合は聴覚過敏とミソフォニアを併合している可能性が高いです。
聴覚過敏・ミソフォニアは診断されにくい?理解が得にくい現実
ミソフォニアは診断基準がはっきり定まっておらず、医療や学校・職場で理解を得にくい現状があります。
診断書が必要な場面では、
- 聴覚過敏
- 自律神経に関する症状
といった形で診断書を出してもらうケースもあり、一つの方法として考えられるかもしれません。
また、聴覚過敏以外にもHSP(=繊細な人)な人や、自律神経が乱れている場合も聴覚過敏を持つ人と同様に「ストレス or 環境」「またはふとした瞬間や気づかない間にその(苦手な)音が引き金となり、ミソフォニアの診断をになりやすいと言われています。
聴覚過敏の研究は1940年代からはじまり、ミソフォニアの反応も含まれていました。2010年代以降、聴覚過敏とミソフォニアを症状名に区分し、ミソフォニアの研究が開始されました。
ミソフォニアで困っている人へ
専門的な対策ではありませんが、
私が一番助けられたのは、周囲に共有することでした。
- 「黒板をひっかく音」を例に出す
- 自分が特に苦手な音を伝える
- 防音アイテムを使っている理由を説明する
すべて理解してもらえなくても、「そういう感じ方があるんだ」と知ってもらえるだけで、
自分の心が少し楽になりました。
この文章が、「自分だけじゃなかった」と感じるきっかけや少し立ち止まって考える材料になればうれしいです。

