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人によって感覚は違う〜見え方聞こえ方から考える

同じ犬を見て思う感情、同じいちごの味は?

人によって感覚は様々です。ですが、自分の感覚がその人も同じように感じているように思ってしまうことは多くあります。人より過敏な感覚を持ち、違和感や困りごとがあっても何が原因か気付けずに困っている人が多くいます。このことについて詳しく解説していきます。

虹だけでも各国によって色の数が違う

私たちは、自分の持っている感覚を他者と共有することは基本的には出来ません。

例えば雨上がりの晴れた空にかかる虹について、日本人の多くが7色であると認識していますが、アメリカやイギリスでは6色、ドイツやフランスでは5色、ロシアやインドネシアでは4色で、台湾では場所にもよりますが3色と認識する人が多いようです。

また世界には7色よりも多い8色や、2色と認識する人々も居るとか。

虹というモノの認識だけで、世界にはこれだけの異なる解釈があるのだから、当然他の物事も見え方が違ったり、感じ方が違うのは当たり前のことなのです。

見え方が違うのなら聞こえ方も違う

聞こえ方に関しても勿論そうで、私たちは同じ音を聞いても、同じ音と認識しているわけではないかもしれないし、同じように情報を処理出来ているとは限らないということです。

正月特番の「芸能人格付けチェック」で、量産型のバイオリンとストラディバリウスの音色の聞き分けが出来る人と出来ない人が居るのも当たり前のことですし、そもそもバイオリンの音色自体を美しいと感じない人が居ても何ら不思議ではありません。

自分と他人の感覚が同じだと無意識に思ってしまっている

ところが多くの人は、自分が感じていることに関して、周りの人間も大体同じように感じているだろうと考えています。幼いころから集団生活を営むことで、自分も周りの人と「同じような人間」だと思っているし、「同じような感覚を共有している」と思っているから、そう思い込んでいる人が多いように感じます。

また、集団生活の中で社会性が不自然に強くなりすぎることで、「他人と違うことをしたり、目立つ行動をしたくない」という気持ちが強くなり、自分の意見を主張することが出来なくなっている人も多いと考えています。

注意散漫は音が過敏すぎることが原因だった!

考えるきっかけがなければ気づきにくいのが現状

筆者は現在就労移行支援事業所に通っています。一口に就労移行支援事業所と言っても色々あるのですが、私が通っている場所は発達障害と鬱(双極含)症状の方限定となっております。

発達障害と鬱は、数字だけ見ると相関関係があり、所謂2次鬱と呼ばれる方もいらっしゃるので、全体の7割くらいは発達障害または傾向強めのグレーゾーンの方で構成されています。

そういう感じなので、発達障害の人の悩みのタネである感覚過敏についての講習もありますし、何なら普段の話のネタにもなったりします。

そういった時に初めて自分と他人で感覚ってものは全然違うということに気付き、注意散漫である原因が注意欠陥症の特性ではなく聴覚や他の感覚が敏感過ぎて、それが気になってしまっていたからだと理解出来る人がちらほらいます。

イヤーマフを付けだしてからの彼らの集中力の変わり具合を見ると、もし児童・生徒の頃からこの事を知っていれば、また違った未来があったのかもしれないと思うと、彼らだけでなく社会全体が損をしてしまっているように感じます。

感覚体験で子どもの未来は変わる!

ここ最近の試みとして、東北大学の取り組みですが、地元の中学生の授業に大学の教授が赴いて、全員にイヤーマフを付けさせて音楽の授業を行うということを行うということをやっているそうです。

普通に考えたら頭のネジが数本外れていそうな事例なんですが、これによりクラスに毎回1~2名の聴覚過敏の方が居て、その生徒本人の気付きもそうですし、クラスメイト全体の認知と理解も同時に得られるということで、結果だけ見ればとても合理的な社会実験になっているということがあります。

「同じような人間」と思っていた彼らが、実は「同じような感覚を共有していなかった」と自覚した時、彼らは本当の意味で自己を理解し、他人を思い行動することが出来るのではないでしょうか

まとめ

聞こえ方に限らず、人の感覚というものは多様性に溢れています。お互いがそれを知り、認めることが大切です。

今まで何も不思議に思わなかった慣例を疑い、お互いがより良く過ごせる"カタチ"を模索できるような機会がより多く提供されることで、言葉遊びで終わらない「ダイバーシティ&インクルージョン」が実現されると良いと思います。

iroiroが目指すborderless worldも、その延長線上にあると考えています。