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聴覚過敏とは?気になる原因や治療・診断・対策について

鼻が利く人や隠し味等がすぐに分かる人のことを「嗅覚や味覚が鋭い!」なんて言い方しますよね。
聴覚過敏・聴覚過敏症は、五感のうちの聴覚が鋭い人が音により耳の中が痛む感覚や不快感を感じる症状です。

聴覚過敏とは?

聴覚過敏とは、感覚過敏のひとつで聴覚が鋭く日常の環境音などが過度に聞こえ、音による耳の痛みや不快感を感じてしまう症状を指します。聴覚過敏や聴覚過敏症とも言います。

「すべての音が全体的に大きく聞こえたり」「多くの人が聞き取れない音まで拾える」など聴覚が鋭いという特徴があります。人によって過敏性や苦手な音は異なります。

  • すべての音を拾ってしまう
  • 音量が大きく聞こえる
  • 音により苦痛や不安・恐怖になることがある

過敏性が強くでるとすべての音が同じ音量に聞こえてしまい、周囲の雑音が大きく聞こえ聞き取りたい音が聞きりにくくなってしまうことや、また音による刺激を強く受けてしまうため音による不快感や疲を感じやすくなります。

そのため聴覚過敏症の多くがイヤーマフ・耳栓・ノイズキャンセリングなどを活用し、防音アイテムを日常で着用しています。

【聴覚過敏の感覚を知ってみよう!】
聴覚過敏でなくとも、苦手な音というものは存在します。
例えば...「黒板を爪で引っ掻くような音」この音を好んで聞きたいと思っている人はあまりいません

他にも… 商業施設等の入口で流れるモスキート音や、車のクラクション、食器の割れる瞬間の音や誰かの怒鳴り声etc..
聴覚過敏特性を持っている方はこれらの音が凄く大きく脳内に響いてしまうため、人一倍苦手としている人が多い傾向にあります。

聴覚過敏者はどんな音が苦手なの?音の種類

 苦手な音や程度は人によって、また、そのときの状況によって異なります。

予測不能な音人の声などがよく聴覚過敏では挙げられますが、実際に当事者にお話を伺い、意外な音まで聞こえている・不快音に聞こえていることがわかりました。

電子音:モスキート音 / 超音波 / マイクのハウリング / 蛍光灯 / チャイム
突発音:犬の鳴き声 / 風船の破裂音 / ピストル音 / 花火
擦れる音:洋服のハンガーをズラす音 / 食器が当たる擦れる音
大きい音:工事音 / 怒鳴り声 / 叫び声等の金切声 / ドライヤー / 赤ちゃんのなきごえ
高音:食器音 / ハンガー / チョークホルダー / 黒板 / 雨の日の靴の擦れる音 / こどもの声
小音:こそこそした会話(悪口) / マンホールの水路音
人体の音:心臓音 / 血流音

聴覚過敏になる原因とは?

生まれつき持った特性であることが多く、その優れた・鋭い感性故に、度重なる「音×ネガティブな体験」や、音で感じるストレスが強くなると、悪化し防音アイテムが必要になるほどの過敏性になることがあります。※重度軽度は人によります

また、後天的にストレス環境下で聞こえてくる音に対して身体が拒否反応を起こし、特定の音に対して敏感に反応しやすくなるケースもあります。反応度合いによってはミソフォニア(音嫌悪症)といった診断名が出るケースがあります。

聴覚過敏者の中にはある特定音が苦手になり、ミソフォニアを併存される方もいます。

また、メニエール病や鬱、自律神経失調症等が原因で併発することもあります。

 

詳しく学ぶ:ミソフォニア(音嫌悪症)とは?

聴覚過敏の診断や治療は?

診断:医師に相談し少しでも不安を解消

聴覚過敏の診断は、明確な原因が分からないものが多く、一朝一夕にこれという診断をすることが非常に難しくなっています。

主な原因として考えられているのが、

  • ASDやADHD等、発達障害の人が持つ感覚過敏症の一部に起因
  • ストレス性精神疾患による感覚異常(鬱、自律神経失調症等)
  • メニエール病等の耳の病気

の3つですが、複合していたり、どれに当てはまるのか良く分からない、また該当する項目が見当たらないというケースも少なくなりません。

しかし、発達障害者の多くが感覚過敏をもっていることが多いため、普段通院している先生や精神科の先生に伺うことをおすすめします。

聴覚過敏なのかどうか不安な気持ちやトラウマが強化するとより過敏になってしまう恐れがあり治療に長引くことがあります。精神的なストレスを早めに取り除けば解決することもあると医師もおっしゃっています。

詳しくはこちら:聴覚過敏の診断・治療について

治療方法:認知行動療法と音慣れ訓練

原因が明確な病である場合は、治療の過程で治ることが多いですが、

聴覚過敏そのものの治療法は、まだ確立されていないのが現状です。

研究が最も進んでいるアメリカでは、対処療法として認知行動療法が用いられるケースが多く、一定の効果を挙げていると報告が記載された論文が多数あります。

認知行動療法とは、事象に対する自分の認知(捉え方)を見直すことで、受けるストレスや不快感を必要以上に大きくしないこと。また少し視点を変えてポジティブに捉えられるように、考え方のプロセスに多様性を加えたりすることです。

リンク:認知行動療法とは?

当事者が実践している対策方法と工夫

症状や度合いも人の数だけある過敏症の対策は、これという絶対的なものがあるわけではないのが現状です。多くの記事ではなるべく音の影響を受けないように工夫が必要と言われています。

ですが防音しすぎると悪化する傾向をiroiroメンバーでも経験したことがあるので、今回ご紹介する対策方法は、普段防音アイテムを着用しているiroiroメンバーの声や当事者にヒアリングし、いいなと思った対策方法をご紹介します。

色々な人の意見を見聞きするなかで、すぐに始められそう・良さそうといったものから取り組んでいくことをお勧めします。

  1. 防音アイテムを日常で活用する
  2. 音に対するストレスは意識的に減らす!トラウマ強化を抑える
  3. 音が多い場所は避ける、音がしんどい場合は休憩する(場所、機会の回避)
  4. 周囲への理解をしてもらえるよう呼びかける

防音アイテムを活用

聴覚過敏の症状は人によって異なります。そのため自分にあった防音アイテムを活用することをおすすめします。現在は聴覚過敏者に推奨された者はありませんが、当事者に伺った防音アイテムリストがあるのでこちらをご覧ください。

⚠イヤーマフなど防音性の高いモノを着用し続けると「防音アイテムへの依存・症状の悪化」に繋がることがありますので、長時間の着用を控え必要な時に着用することを推奨します。

リンク:当事者が選ぶ防音アイテムリスト

防音アイテムの活用

  • イヤーマフ
  • イヤホン or ノイズキャンセリング
  • 耳栓
イヤーマフ

イヤーマフは聞きなれない人が居るかもしれません。音が出ないヘッドホンのようなものです。密閉性が高いモノであれば外部からの音を殆ど遮断することが出来ますが、長時間の着用で蒸れたり、締め付けで痛みが出てくるケースがあります。

イヤホン・ノイズキャンセリング・耳栓

イヤホン、耳栓はそのまま外耳道に差し込んで音を遮るもの。無線イヤホンの普及で、付けていても見た目に違和感を感じることが減っている気がします。サイズも小さく、持ち運びに便利なので、携帯している人も多いのではないでしょうか。

 

カフェインも効果あり!?

カフェインは耳の機能を一時的に低下させる効果があるという研究結果が多く出ています。

過剰摂取で難聴を引き起こしたり、暑い時期だと利尿作用の影響で脱水症状が出たりするので注意が必要ですが、飛行機移動の際のジェットエンジンの音を軽減するためにフライト前に濃い目のコーヒーを飲むといった具合に上手く使っている人も居るようです。

集中力を高めたり、血液循環を改善させるといった良い効果も多数あるので、カフェインが含まれる食品(コーヒー、紅茶、玉露、ダークチョコレート等)を仕事や勉強等集中して頑張りたいとき、手元にお守りくらいの感覚で用意しておくのは良いかもしれません。

トラウマ強化を抑える

こちらは実際にiroiroメンバーの実体験と聴覚専門の先生にお話を伺った内容です。
「音×ネガティブな体験」が増えると見ただけで恐怖感がでてしまうことがあります。こはトラウマが強くなってしまい悪化していく傾向があります。

また音だけでなく環境に対する不安な気持ちによってより音が大きく聞こえてしまいトラウマ体験が強くなっていきこちらも悪化してしまいます。

💡お化け屋敷に入ると自然と音が大きく聞こえたりちょっとした音でもびっくりしちゃう。これは恐怖心によって過敏になっているから。
恐怖感が強い人ほど音に過敏になっています。

意識的に不安を減らしたり、音に対する恐怖感を少し和らげるだけで、過敏性がマシになりました。音に対するトラウマをなくそう!この気持ちは症状悪化を抑える実体験があったので参考になれば嬉しいです。

場所、機会の回避

交通量が多い道路に面した学校やオフィスの場合、車の音が気になって集中することが出来ない人などが居るようです。ある程度選択可能であれば、苦手な音から物理的に遠い環境を選ぶことも大事でしょう。

お祭りや行事で大きな音が鳴る場所も苦手としている人が多いようです。

行くのを辞める、諦めるのではなく、代わりに静かで落ち着けるような場所に行く・自分のために時間を使うという積極的で前向きな選択をするという考え方が大事だと(iroiroでは)考えています。

進学や就職等、環境が大きく変わる時は、変わる環境先を入念に調べておくことをお勧めします。

聴覚過敏を始め、ダイバーシティを推進する学校や企業では、諸々の診断を受けている/受けていないに関係なく得手不得手を開示し、配慮を受けることが可能です。

より良い環境を選択する勇気を持ってください。

 

もし新しい環境で聴覚過敏の理解が難しい場合や配慮が必要な場合は、配慮シートなどを活用してお渡しすることもお勧めします。実際にiroiroメンバーが使用した配慮シートの参考がありますのでこちらを参考に活用ください。(URL::配慮シート)

周囲への理解を呼びかける&工夫

まだまだ認知度が低い過敏症で最も重要なことは、周囲の人に認知してもらうということです。
iroiroメンバーでもこの問題は今でも課題ではあります。聴覚過敏自体の認知が低いこともあり私たち自身もまた相手も理解することは容易ではないと感じております。

しかし、「過敏症だから~~を付けている、~~が出来ない」と一方的に押し付けても、相手は理解してもらえず、自分たちが傷ついてしまう機会もあると思います。

理解を求めるのは難しい…。

勇気が必要になりますが、自分が持つ症状と既に行っている対策を話すのは理解への第一歩!そして少しでも快適な日常にする最良な方法だと感じています。

例えば
「音が大きく聞こえてしんどくなっちゃう症状をもっているから、日常的にイヤーマフをつけているんだよ。」
「イヤホンをつけて音楽を聴いていると思われちゃうけど聴覚過敏っていう症状があって、対策が防音することしかなくてこれをつけているの。」
「後ろから声かけられるとびっくりしちゃうから話しかける時は前から声かけてくれたら嬉しいな!」

 

さいごに

学校や職場などでは様々な理由から、求めている配慮が難しいことがあります。音によって「あきらめた」という声を聞きます。また音で悩む人だけの工夫や自助努力だけでは限界があり、可能性のある人が機会損失することが当たり前になっていることを変えていきたいと思っています。

本内容は論文や医師が記載している内容などに合わせて聴覚過敏をもつメンバーとその家族の実体験そして聴覚過敏をもつ方にお話を伺い作成しました。まだまだ知識が至らないところもあり、調べているところです。小さな気付きなどでもお気軽にご連絡いただけますとうれしいです。

iroiroでは、当事者の声やリアルに感じることを大事に情報をお伝えしていきたいと思っています。また音をきっかけに感じる悩みを少しでも減らし快適な生活になるようこれからも活動していきます。

【参考記事や文献】
今まで私たちがしらべてきた内容に合わせこちらも参考にさせていただき作成いたしました。
URL:https://www.memai-kobe.jp/category/1497072.html
URL:http://www.nakaoclinic.ne.jp/mentalhealth/mh_02.html
URL:https://www.healthyhearing.jp/topics/Topic-article-34
URL:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf

URL:http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_hearing.html