※この記事は、統計や診断を示すものではなく、
iroiroの活動を通して私自身が見聞きした体験をまとめたものです。
はじめに|「知られていない」と思っていたけれど
iroiroの活動を始めてから、久しぶりに会う友人や初めて出会った方に
活動内容について紹介する機会が増えました。
その中で、
「聴覚過敏やミソフォニアって知っていますか?」と聞いてみることがあります。
正直に言うと、
多くの方は「何それ?」、「初めて聞いた」という反応でした。
ただ、実際に人と話し続けていく中で、「知られていない」だけではないのかもしれない
と感じるようになりました。
聴覚過敏・ミソフォニアは本当に知られていないのか?
実際、言葉としては聴覚過敏は名前だけ知られているが、ミソフォニアを知らない方が多数
という印象です。
「聴覚過敏」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどんな状態なのかまでは知らない。
「ミソフォニア」に至っては、「言葉自体を初めて聞く」という方がほとんどでした。
ただ、話を続けていくと、
言葉は知らなくても、「思い当たることがある」と感じる人は少なくないようでした。
聴覚過敏を「知っている人」が多かった職業
これまで話をしてきた中で、
比較的「聴覚過敏」という言葉を知っていた方が多かったのは、
次のような職業の方々でした。
- 小学校の先生
- 保育園の先生
- 専門学校(心理・カウンセリング系)の教員
- 発達研究に関わる先生
共通していたのは、10〜20代の子どもや若者と関わる仕事をしているという点です。
大学の授業や研修で言葉として学んだことがある、という話も聞きました。
ミソフォニアを説明すると反応が変わる理由
一方で、「ミソフォニア」という言葉はほとんど知られていません。
そのため、
すべての音が苦手なわけではなく、特定の音に強い不快感や嫌悪感が出ることを
ミソフォニアと呼ぶことがあります
と説明すると、反応が変わることがありました。
「それのことか」、「なんでこの音だけ無理なんだろう、って子いる」
という声が返ってくる場面もあり、
言葉を知ることで状況を整理しやすくなる様子が印象的でした。
意外と多かった「建築系の人は知っている」という声
個人的に意外だったのが、建築・住宅設備関係の方の反応です。
建築材料や住宅設備を扱う企業に長年勤めている方から、こんな話を聞きました。
「新築を建てる時、『この音が大きく聞こえる』、『この擦れる音がどうしても嫌だから素材を変えたい』
という要望は結構ある」
建築系、特に住宅設備の仕事をしている人は音に敏感な人が多い印象がある
教育現場とは違う分野でも、音への困りごとは身近なものとして扱われていると感じました。
現場の先生が感じている「音で困っている子どもたち」
先生方の話で共通していたのは、
- イヤーマフや耳栓など目に見えて防音アイテムを使っている子は少ない
- けれど、音で困っていそうな子は確かにいる
という点です。
大きく音が聞こえたりすると、耳をふさいだり、表情がこわばわる
そうした様子を見て、「もしかしたら楽になる方法があるかもしれない」と感じる場面もあるそうです。
一方で、本人や保護者に直接伝えることの難しさもあり、
現場での悩みとして語られていました。
ミソフォニアを説明すると「私もそうかも」と言われることが多い
聴覚過敏・ミソフォニアという言葉を知らない方でも
説明をすると、
「それ、私も当てはまるかもしれない」、「職場にそういう人、いる気がする」
と反応が返ってくることがあります。
言葉を知ったことで、自分や周囲の人の様子を
見直すきっかけになるようでした。
「自分もそうかも」「あの人もそうかも」と感じた具体例
自分の場合
- 移動中の電車の音が苦手で、イヤホンをつけている
- 食器が擦れる音が気になり、テレビの音量を上げている
- 隣の人の咀嚼音が気になり、耳栓を使うことがある
周りの人の場合
- 仕事中、いつも大きなヘッドフォンをつけている
- タイピング音で嫌そうな反応をされることがある
- 音に対して過敏そうな態度を見せる場面がある
ミソフォニアという言葉を知ったことで、
自分や相手を理解しやすくなった、
という声もありました。
言葉を知ることで、少し楽になることもある
すべての音の苦手さを、無理に聴覚過敏・ミソフォニアという言葉に
当てはめる必要はないと思っています。
それでも、言葉を知ることで自分を責めすぎずに済んだり、相手を理解するヒントになる場面もあります。
おわりに
この記事で書いたことは、結論や正解ではありません。
iroiroの活動を通して、
人と話す中で見えてきた、ひとつの体験の記録です。
「知られていない」と思っていたことが、実際には少し違って見えた。
そんな気づきを、これからも身近なところから知って欲しいと思います。

