聴覚過敏で学校生活が大変だった経験や防音アイテムを日常的に着用するなど、聴覚過敏と1向かい合った約10年。聴覚過敏やミソフォニアは、"ストレスや神経質になるとより音に敏感になり悪化する"のではないかと年齢を重ねるにつれて感じています。
今回は「ストレスと聴覚過敏」について実体験を元にお話したいと思います。
1.ストレスが強く感じると音が大きく聞こえる
食事中に隣の席の人が「クチャクチャ」と咀嚼していると、どんどんその音への不快感は高まり、その音ばかり拾ってしまいその音がメインで聞こえ食事に集中できなくなる経験はありますか?
聴覚過敏をもつ私の場合、先生が授業で黒板に字を書く「キーッ!」とチョークが黒板を擦る音です。不快感や不安で授業を受けたくない気持ちが溢れ、音に対する不安が増し、日に日に音が大きく聞こえたり、しんどくなる事が多かったです。
調べてみるとこのストレスが強くなると音が大きく聞こえる原因は、”自律神経の乱れ”が起因しているそうです。音に対するストレスが強くなる事で、音の情報を処理する脳機能がうまく機能出来なくなったり、鼓膜による音の大小を調整する機能が出来なくなる事で音が大きく聞こえたり、普段聞こえてない音が聞こえやすくなります。
2.ストレスが起因していると気づいた出来事
①嫌な音がある「空間」に居続けなくちゃいけないことがストレス
私の場合は、苦手な音が多い「学校」に嫌でも居続けないといけないと強く感じました。
音に対するストレスが高まり、学校という空間にいる間は常に周囲の音に苦痛という感覚が残った結果、今までは気にならなかった音までも大きく聞こえたりしていた。
②「空間」に居続けなくちゃいけないことだけでなく周囲の目がさらに
ストレスに
自分が苦手な音(校内放送、マイク、黒板を書く音、黄色歓声など)に対する反応を見て面白がってネタにされたり、「変な子」と扱われたり、防音アイテムをした事で他学年による勘違いされる事が多かったことにストレスに感じる事もありました。
その結果、音の苦手意識と遮音性が高い防音アイテムの依存性が高くなりました。
そして、「視線」や「音」により学校の「空間」がしんどく、ストレスが強くなるほど音への過敏性が上がっていきました。
③学校「空間」から解放された今、音に対するストレスがなくなった!
学校卒業して数ヶ月で、日常的に苦手だった音は大きく聞こえず、また行くことができなかった場所でさえも防音アイテムがなくても出掛けられるようになっていたのです。
今まではストレスや負の感情を日常的に感じていましたが、その気持ちは減り、さらに音があまり気にならなくなったので音への苦手意識が薄くなりました
3.大事なのは音よりもストレスを溜め込まない方法を模索すること
一番伝えたいのは、「ストレスを溜め込めないように工夫する事が大事」です。
当時は気づきませんでしたが、学校生活と卒業後の生活で大きく音に対する感じ方が違うことから、聴覚過敏の症状の悪化は”ストレス”がとても大きく関係しているように思います。
音に対して困っていると、「音に慣れていくこと」や「防音対策」に注力しがちですが、実は「音に対するストレスを減らす」ことこそがまずは大事だと感じています。まずは、ストレスの根源を和らげる事や生活習慣を変える事もおすすめです。
もちろん「遮音」や「安心感」を持ちたくて防音対策も必要ですが、遮音性が強すぎる防音アイテムを使用していくことはあまりおすすめしません。なぜなら、ストレスが強くなる事で強い防音アイテムを使用すると音に対する耐性が下がりさらに悪化または防音アイテムへの依存度が高まります。また、苦手な音に対して過敏になるリスクもあります。
*実際、遮音性が高い防音アイテムに頼ることが増え、音に対する恐怖心や不安が和らぐと思っていたのですが、むしろより音に対して敏感になり、防音アイテムの着用への依存度が高まり悪化したことがあります。
防音アイテムに頼る事より、ストレスを減らす事が大事です。